最近、背中に痛みを感じることがあります。
鏡に映った自分の姿勢が少し丸く見えたり、後ろを振り向くときに以前ほど身体が回らなかったり。若い頃は気にもしていなかった動きが、少しずつやりにくくなっていることに気づきました。
これを単に「年だから」で済ませていいのかな、と最近よく考えます。
もちろん、老化が背中から始まる、という医学的な話をしたいわけではありませんが、人が自分らしく動き続けるために、背中は思っている以上に大事な場所なんじゃないかと感じています。
背骨、それを支える筋肉、そして呼吸。この3つは別々のものではなく、かなりつながっていると思いました。
50代以降は特に、筋力が落ちていく時期でもあるので気をつけていきたいと感じています。
年齢とともに、背骨は少しずつ動きにくくなる
背骨というと、前に曲がる、後ろに反るというイメージが強いかもしれませんが、実際には、左右に傾いたり、身体をひねったりと、いろいろな方向に動いています。
ところが年齢を重ねると、特に胸のあたりの背骨は動きが小さくなりやすいと言われています。
反る動きや、ひねる動きが出にくくなると、姿勢にも影響が出てきます。
背骨を支えているのは、脊柱起立筋や多裂筋といった背中の筋肉です。こうした筋肉も、何もしなければ年齢とともに落ちやすくなります。
筋肉が減ったり、うまく使えなくなったりすると、背すじを自然に保つことが難しくなって、背中が丸まりやすくなります。
脚の筋肉が大事なのはよく言われますが、私は背中の筋肉も同じくらい大事だと思っています。
脚で立って、背中で姿勢を支える。両方大切な筋肉だと思うのは、人間2足歩行だからです。
意外と大事なのが「ひねる」動きじゃない?
私が特に大事だと感じているのは、身体をひねる動きです。
年齢を重ねると、日常生活の中で身体を大きくひねる場面が減っていきます。車の後ろを振り返るとき、棚の奥のものを取るとき、寝返りを打つとき。そういう何気ない動作で、あれ、回りにくいなと感じることはないでしょうか。
歩くときも、実は身体は少しずつひねられています。骨盤が動き、胸郭が動き、腕が自然に振れます。
その小さな回旋があるから、歩き方も滑らかになります。
前に曲げる、後ろに反るだけではなくて、左右に動けることや、無理なくひねれること。
そういう動きが保たれていることは、姿勢や歩きやすさ、バランスにも関わってくるはずです。
だから、筋力だけでなくきちんと稼働するかということも見ておく必要があると思います
背中の硬さは、呼吸にもつながる
背中や胸まわりの動きが小さくなると、呼吸もしにくくなります。
呼吸は肺だけでしているわけではありません。横隔膜が上下し、肋骨が広がり、胸郭や胸のあたりの背骨もわずかに動きます。
それらが連携して私たちの呼吸は成り立っていると言われています。
背中が丸くなり、胸郭がかたくなると、呼吸も浅く感じやすくなります。大きく吸えないことは、酸素をたくさん取り入れにくいとも言えるかもしれません。
呼吸には、自律神経とつながっている面もあります。呼吸は普段、自動的に行われていますが、自分の意識でゆっくりにしたり、少し深くしたりできます。
気持ちが焦っているときに、ゆっくり息を吐くと少し落ち着く。そんな経験がある人も多いと思います。呼吸を整えることは、身体だけでなく、気分を整えることにもつながります。
ただし、大事なのは、たくさん空気を吸い込むことだけではなく、無理なく、ゆっくり呼吸できる身体でいることだと思います。
50代から意識する身体の基本
50代からの健康づくりというと、筋トレやウォーキングがまず思い浮かびます。それはもちろん大切です。
でも、それだけでは少し足りない気がしています。
背骨を支える筋力があることは、背中が必要以上に丸まらないこと。
左右どちらにも動けたり身体をひねれること。
胸郭が動いて、自然に呼吸できき、自分の脚で歩き続けられること。
こういう当たり前の動きを、できるだけ長く保つことが、これから先の身体を守る土台になるのではないかと思っています。
老化そのものを止めることはできませんが、年齢とともに失われやすい動きを、遅らせる事ができます。
50代からは、そんな視点を持っておくことも大切なのかもしれません。
