2028年4月から、従業員50人未満の会社にもストレスチェックの実施が義務になります。これまで努力義務だった小規模の事業場も、労働安全衛生法の改正で新たに対象になります。
ストレスチェックは、心の負担を短い質問票で定期的に把握する仕組みです。医学的な診断ではく、自分の状態に気づくきっかけづくりをするものです。
2028年4月に始まる制度の中身
現行制度では、常時50人以上の労働者がいる事業場に年1回の実施義務があります。50人未満は努力義務にとどまり、実施率にも差が出ていました。
2025年5月に公布された改正法で、この差はなくなります。
施行日は2028年4月1日です。
新たに対象になる事業場は、施行から1年以内、2029年3月31日までに初回を終える必要があります。
数え方は会社単位ではなく、事業場単位です。本社、支店、営業所などそれぞれで判断します。正社員だけでなく、週の所定労働時間が正社員の4分の3以上あるパートやアルバイトも人数に含まれます。
実施率の差と、増え続ける労災認定
厚生労働省の令和5年労働安全衛生調査では、ストレスチェックの実施率は50人以上の事業場で89.6%です。
一方、30〜49人の事業場は58.1%、10〜29人の事業場は58.6%にとどまります。
50人という境目の前後で実施率は30ポイント以上開いていますが、30〜49人と10〜29人の差はわずかです。
同じ時期、精神障害による労災認定の件数は増加傾向にあります。実施率が低い規模と、労災認定が増えている規模が重なっている点が、今回の対象拡大の理由の一つだと思われます。
日本の事業所の9割以上は、従業員50人未満です。この改正で、ストレスチェックの対象になる働き手の数は一気に増えます。
小さな会社ほど強く出る、上司や経営者の仕事のルール
制度が整っても、それだけで職場の空気が変わるとは限りません。小さな事業場ほど、その場を仕切る上司や経営者のやり方が、職場のルールそのものになりがちです。
仕事の進め方も、結果の出し方も、過程の細かいところまで、上司や経営者の基準に合わせることを求めらる場合もあるでしょう。合わないと、きつい言葉を投げつけられることあると思います。
私自身、そういう職場で働いていた時期があり、ストレスを相当ため込んでいました。
厄介なのは、上司自身が自分のルールを部下に押しつけていると気づいていないことです。だから、部下が何に悩み、何にストレスを感じているのかも、見えていません。
ストレスチェックは、年に1回のきっかけにすぎません。制度が始まるのを待つより、自分の心の状態を定期的に振り返る習慣を、今のうちから持っておきたいと思います。
