50歳以上の人が健康情報に何を求めているのか、という調査が公開されていました。
コスモヘルス株式会社が2026年8月19日に発表したシニアの意識調査なのですが、50歳以上の2,079名に聞いたところ、健康について一番知りたいことは「病気や不調の原因」が20.7%だったと書かれていました。
気をつけましょうで終わる記事ではなくて、なぜそうなるのかという理由が知りたいという人が多いという結果になっていました。
※調査の数字はコスモヘルスのプレスリリースで、公的な数字は厚生労働省などの資料で2026年8月21日に確認したものです。
2,079人が一番知りたかったこと
調査で「健康について知りたいこと」を聞いた結果です。
| 知りたいこと | 回答率 |
|---|---|
| 病気や不調の原因 | 20.7% |
| 食事・栄養 | 15.1% |
| 腸内環境 | 14.4% |
| 免疫力 | 14.1% |
| 睡眠 | 11.6% |
1位と2位の差は5.6ポイントでした。圧倒的というほどではないのですが、原因を知りたいという答えが頭ひとつ飛び抜けています。
注目したいのは順番です。
食事や睡眠といった、やることの手前に、なぜそうなるのかという理由が来ています。対策を知りたくないのではなくて、理由が分かってから対策を選びたい、という結果になっていました。
理由の部分が抜けている記事は、読んでも自分の生活に置き換えられません。
「気をつけましょう」より原因や理由が知りたいのは、そこだと思います。
食事と睡眠に集中する関心
同じ調査では、健康のために重視している生活習慣も聞いていました。
| 重視している生活習慣 | 回答率 |
|---|---|
| 食事 | 46.7% |
| 睡眠 | 41.3% |
| 運動 | 7.4% |
| 人との交流 | 4.0% |
食事と睡眠で、合わせて88%です。
運動が7.4%まで下がるのは意外でしたが、健康の記事や番組では、だいたい運動がすすめられます。
ただ、この数字を見る限り、すすめる側と読む側で関心がずれていることがわかります。
食事と睡眠は、やるかどうかを選べません。今日も明日も毎日行う行動です。
運動は、やる日を作らないと発生しません。
続ける前提がそもそも違うので、毎日必ず行うほうを良くしたいという行動は理解できますね。
睡眠が足りないときに体で起きていること
ここからが、調査で1位だった原因の話です。まず睡眠から見ていきます。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保することが推奨されています。あわせて、眠って休めたという実感(睡眠休養感)を高めることも大事だと書かれていました。
高齢者の項目は少し違っていました。
65歳以上は、寝床で過ごす時間が8時間以上にならないようにする事が目安になっています。
長く寝ればいいわけではないんですね。
体の中で何が起きているかは、厚生労働省のe-ヘルスネットに説明がありました。
睡眠不足が数日続くと、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減り、逆に食欲を高めるグレリンが増えるそうです。その結果、食欲が大きくなります。
さらに睡眠不足はインスリンの働きを悪くするので、血糖値が下がりにくくなって糖尿病につながっていく、と説明されていました。
寝不足の翌日に甘いものが食べたくなるのは、意志の問題ではなくて、ホルモンが動いた結果ということになります。
「早く寝ましょう」と言われても行動は変えられません。寝不足が食欲と血糖に直結していると分かると、以下にして睡眠時間を確保するか考えないといけません。
たんぱく質と、筋肉が減っていく速さ
食事のほうも、理由から見ていきます。
健康長寿ネットによると、筋肉の量は20代がピークで、そこから10年ごとに男性は約2kg、女性は約1kgずつ減っていくといわれているそうです。
50代を10年ひとまとまりで見ると、けっこうな量です。何もしなければどんどん減るという事になります。
筋肉が減った状態はサルコペニアと呼ばれていて、ふらつきや転倒、骨折につながり、フレイル(心身が弱った状態)の原因のひとつになると書かれていました。そこから要介護まで、道がつながっています。
だから、たんぱく質の話が出てきます。
2025年版の「日本人の食事摂取基準」では、65歳以上のたんぱく質の目標量について、下限が総エネルギーの15%以上に設定されています。フレイル予防のために高齢者のたんぱく質摂取がより強調されたという改定でした。
推奨量は65〜74歳で男性60g、女性50gとなっています。
数字だけ見ると、これだけ?という量に思えてしまいかすが、この量は筋肉の減り方を遅くするとためでした。
健康寿命の数字もあげておきます。
厚生労働省の発表では、令和4年(2022年)の健康寿命は男性72.57年、女性75.45年でした。
同じ年の平均寿命が男性81.05年、女性87.09年なので、差は男性で8.49年、女性で11.63年差があります。この差が、日常生活に制限がある期間です。
8年から11年。
食事と睡眠の話がこの世代が興味を引くのは、ここを生活に制限がある期間を短くできる可能性があるからだと思います。
調査の数字を、もう一度並べておきます。
50歳以上が健康情報として一番知りたいのは「病気や不調の原因」で20.7%。
重視している生活習慣は食事46.7%と睡眠41.3%で、この2つで88%を占めていました。
そして睡眠にも食事にも、体の中で起きていることの説明がついています。ホルモンと血糖、それに筋肉量とフレイル。
理由が分かると、やらなければ行けないかどうかを判断することが出来ますね。
「気をつけましょう」では届きにくい理由は、判断材料が渡されていないからだと感じます
よくある質問
Q. 50代以上が健康情報で一番知りたいことは何ですか?
A. コスモヘルスが2026年8月に発表した50歳以上2,079名への調査では、「病気や不調の原因」が20.7%で1位でした。2位が「食事・栄養」15.1%、3位が「腸内環境」14.4%です。対策そのものより、なぜ不調が起きるのかという理由への関心が上に来ていました。
Q. 50代は何時間くらい眠ればいいですか?
A. 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安にすることが推奨されています。ただ、時間だけでなく、眠って休めたという睡眠休養感を高めることも重視されていました。65歳以上になると、寝床にいる時間が8時間以上にならないようにする、という目安に変わります。
Q. たんぱく質はどのくらい摂ればいいですか?
A. 2025年版の「日本人の食事摂取基準」では、65歳以上の目標量の下限が総エネルギーの15%以上、推奨量は65〜74歳で男性60g、女性50gとなっています。フレイル予防のために高齢者のたんぱく質が強調された改定でした。筋肉が10年で数kg減るという前提に立つと、50代のうちから量を意識しておく意味はあります。
