2025年5月現在、日本では「ステルス増税」とも言われる形で、私たちの生活にじわじわと負担がのしかかっています。特に50歳以上の方にとって、退職金への課税見直しや**再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)**の増加は、老後資金や生活設計に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、この2つの最新動向とその影響、取るべき対策について分かりやすく解説します。
退職金課税の見直しとは?
現行制度の概要
退職金は、長年の勤労に対する報酬として税制上の優遇を受けています。
- 退職所得控除:
- 勤続20年以下 →「40万円 × 勤続年数」
- 勤続20年超 →「800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)」
- 課税方法:
退職金から控除額を引き、その1/2の金額に所得税が課されます。
見直しの背景と懸念点
政府は、雇用の流動化を促進するという理由で、長期勤続者が有利になる現制度の見直しを議論中です。しかし「控除があるから長く働く」という人がどれほどいるのか疑問視する声もあります。
もし優遇が縮小されれば…
- 長期勤続者の手取り減少
- 老後資金計画の見直しが必要
- iDeCoや企業型年金にも影響
なお、2025年度の税制改正では結論は見送られましたが、今後の議論には要注意です。
再エネ賦課金の上昇が家計を直撃
再エネ賦課金とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを支えるために、電気料金に上乗せされている費用です。
年々増加する賦課金単価
年度 | 賦課金単価(円/kWh) |
---|---|
2012 | 0.22 |
2015 | 1.58 |
2020 | 2.98 |
2023 | 1.40(例外的に下がる) |
2025 | 3.98(過去最高) |
この結果、月260kWh使う家庭では、年間約1,529円の負担増になります。
負担増への対策は?
負担軽減のために、以下の対策が考えられます:
- 省エネ家電への切り替え
消費電力の少ない製品に更新することで電気代削減。 - 電力契約の見直し・乗り換え
より安いプランや電力会社への切り替えで料金を抑制。 - 自家消費型の太陽光発電
電気を「買わずに作る」ことで、賦課金そのものを回避。
政府も再エネ発電コストの削減や制度改革を進めており、今後の改善に向けた動きが注目されます。
まとめ:情報収集と対策が鍵
退職金課税の見直しや再エネ賦課金の上昇は、これからの生活設計に直接的な影響を与える重要な問題です。
最新の政策動向に注目しつつ、負担を最小限に抑えるための行動(節税、節電など)を早めに検討しておくことが、将来の安心につながります。
必要に応じて税理士やファイナンシャルプランナーなど専門家に相談することも検討しましょう。